奇跡の味と呼ばれるラフランス

これほどギャップのある果実はない

凸凹で均等の取れないラフランスは、見た目はお世辞にもよくないことが起因して、当初山形でもまずいとされていた。それは概ね果樹であることが影響していたのである。樹で完熟したラフランスは味もそっけもなく水分も飛んだものであって、収穫されたものは固くて香りも無かったからである。しかし放置しておいたラフランスを食した途端にうまさに気が付いた人々は初めて収穫後に追熟せねばならぬことを知り、そこからはご存じのとおり山形の名産にまで上り詰めたのである。ラフランスとともに入ってきた品種にバートレットがあったが、これは缶詰用として加工されることが主で生食にしていなかったその授粉樹としてラフランスは使われていた。しかし時代が生フルーツへ移行するにしたがってラフランスのおいっしさが際立ってきたのである。洋なしの中でも一番開花が早く実のつくのが遅いラフランスは栽培期間の長さから、故郷フランスでも栽培されなくなったのだ。

意外というよりは奇跡

これまでラフランスなどと言う果実を知ってはいましたが、食べてみようなどと思ったことはありません。どう考えたって日本の長十郎や二十世紀のほうがおいしいとおもいこんでいたのですが。このほど知り合いからラフランスを頂いたのです。が、おおよそ食べ方がわかりません。生がいいのか、煮たらいいのか、定かでないまましばらくそのままでいたのですがその知り合いに会うことになり思い返して申し訳ないと口に入れたのですが。美味しさを例えるならば、うまく言えません。それじゃ例えてないじゃないか、と罵られても、かつて食べた果実とはどうにも違うからです。ただ甘いだけでなく、素晴らしい香りが立ち上り、ぬめっとした食感は今更ながら知り合いに悪いと思ったのです。こんなにおいしいものを、と知り合いに打ち明けたらば、ラフランスはいい加減経った頃がおいしのよ、と軽く言われて、そうだったんだ、と知らされました。